伊吹有喜さんの「今はちょっと、ついていないだけ」という本を読んだ。
婚活をする女の人の話が印象深かった。
主人公の女性は婚活でハイスペ男子を捕まえて、トントン拍子で婚約まで進むんだけど、結婚前に彼氏から
「実はもっと若い子とも並行して付き合ってる。その子と結婚したいから別れてほしい」
って告げられるの。
それを告げられる前は「こんなに人生が激変するなんて…!今の私、すごく幸せ!」って感じてるのに、次のシーンで別れを告げられて幸せ期間はあっけなく終わってしまうんだよね。
絶望的な状況で訪れた海外でまた出会いがあるんだけど、まあその出会いもなかなか悲惨な現実が待っていてなかなか上手くいかない女性のお話。
幸せな毎日に急に信じられないような絶望が訪れて、悔しさも悲しさも恥ずかしさもあるけど結局目の前の日々をがむしゃらに生きるしかないことを感じさせるこのお話に、私はなんだかすごく"人生"を感じた。
この主人公の目的は「結婚すること」で、それがやっと叶うと思ったのに、急に状況が変わっちゃって全然計画通りに人生が進まない。
これって、この主人公に限らず、多分誰にでも訪れることなんじゃないかなと最近思ってる。
本人としては思い描いていた未来が台無しになって苦しい時期だけど、
そんな「想像もしていなかった出来事」とそこから生まれる想像もしていなかった経験が、後になって人生を面白くする気がする。
最初は「なんで私がこんな目に・・・」と思うような出来事でも、そこから今まで考えもしなかったアイデアや目標ややりたいことが見えてきたり、自分の新たな一面を知ったりして、
「今までの自分が思い描いて理想の未来とは全く違うけど、これはこれでなかなか幸せ」
と思えるような未来になるのが、すごく"人生"って感じがする!
このお話は最後にまた絶望的な現実にぶち当たるんだけど、主人公はこの混沌の中で「もうどうにでもなれ!」って思い切った行動をとるんだよね。
その行動が良いのか悪いのかその時はわからないけど、どうにでもなれ精神で取った衝動的な行動が後に思い出や経験値に繋がるなら、それって素敵な人生の一部じゃん、と思った。
きっとこの女性は将来、この旅行の事を思い出して現実の悲惨さや自分のアホさに笑うんだろうなと思った。そしてその時には「結婚」にとらわれない他の幸せも見つけられてるような気がした。だから、私はこのお話はハッピーエンドだと思ったよ。
私、アメリカのThis is usというドラマシリーズが大好きでずっと観てるんだけど、This is usを観てても「うわー!人生っぽい!」ってよく思ってる。
「子供を産んだ人達は可哀想」なんて言ってた人が三つ子を産んでめちゃくちゃ子供を愛したり、
2人の愛が永遠に続くと思えた夫婦が離婚したり、
人生が変わったと思うような幸せな日々が意外とすぐに終わりを迎えたり、、、
そういうのを観ていると、「ああ、みんな人生でこういうことを経験しているんだな」と思える。
思ってもみなかった絶望的な瞬間がいつか訪れてしまうことをわかっていれば、
今ある幸せに気づいて大切にしようと思えるし、
たとえ絶望的なことが起こっても、いつか「あの絶望的な出来事が起こって良かった」と思えるように、今の自分の行動を変えることはできるよね。
難しいけど。
そんなことを思ったよ。
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